どう考えても日記じゃない
日が短くなり、肌寒いと感じる時期になりました。
もうすぐ11月です。
待って一年終わるの早くね?????
なんとなく、寒い季節の方が妄想が捗ります。
【おるすばん】阿伏兎夢
宇宙海賊春雨の戦艦の燃料が切れかかっている。
そう連絡を受け、仕方なく現在地から一番近い星へ飛び、燃料補給の休息をとることになった。
うちの団長は1分と持たず、暇、と言って夜だというのにもかかわらず見知らぬ星の探索に出かけてしまった。
まったく、困った奴だ。
「もうあのバカ置いてっちまいてぇなァ……」
春雨の戦艦の外へ出ると、きれいな月が出ていた。こいつァ見事なもんだ。
「あ、阿伏兎ー!」
「あ?」
背後から聞こえたのは春雨の野郎どもではなく、ひょろっこい小娘の声。
団長が勝手に地球から連れてきちまった小娘が立っていた。
「なーにやってんだ、部屋にいろって言われてただろ」
「そうなんだけど、その、暇で」
そういいながら俺から少し離れた位置に腰を下ろす。
「そんで?」
「散歩してたら部屋への帰り道が分からなくなっちゃって……」
「ふらふら彷徨ってたらここに着いたと」
「そうです。阿伏兎に会えてよかったです」
まあ無駄に広い戦艦だから無理もねぇ。
「けどな、外に出て大丈夫なのか?地球人は俺らと違って弱いだろ」
「さすがにそんなに弱くないと思うよ。それに今のところ大丈夫だから大丈夫」
こいつに何かあったら後で俺がシメられる。
んなとばっちり受けてたまるかってんだ。
「ひっくしゅ」
「…………」
「そ、そんな目で見ないでよ!ちょっとくしゃみ出ただけだもん!」
「しょうがねぇなあ」
少し腰を浮かせ、腕をさすっているこいつの隣へ座りなおす。
一瞬びくついた体を覆うように俺の外套をかぶせてやった。
……体格差的に、頭からかけるかたちになっちまったが。
「わ、なんかテントみたい」
「しょうがねぇだろ、お前小さいからな」
「阿伏兎が大きいんだと思うよ」
さっきは体を震わせていたくせに、今度は俺の腕にすり寄ってきやがる。
やっぱ寒かったんだろうな。
「阿伏兎、あったかい」
「そーかねえ」
「うん。ありがとう」
ありがとう、に対する返事が思いつかなくて、しばらく無言が続いた。
居心地の悪い無言じゃないのが不思議だ。
とりあえず、こいつが寝落ちる前に帰ってきてくれ、団長。
おるすばん
(「うわ、阿伏兎、援交感がハンパないよ」「うるせぇやすっとこどっこい」)
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