どう考えても日記じゃない
花粉の季節がやってきました。
ふしぎと昨年はあまりひどくならなかったので、調子乗って「今年は大丈夫なんじゃね!?」ってノーガードで出歩いてました。
今現在、くしゃみが止まりません。
調子乗ってんじゃねーよって花粉に言われた気分です。
【される】山崎夢
「いった、いたたたた」
「我慢して。ほら、暴れない」
私の手を掴み、手の甲から手首にかけて消毒液を塗る山崎さん。
山崎さんが使っているのは、いつもは私が使う消毒液。
いつもは私が隊士のみなさんのケガの手当てをするのに、今日は手当てをされている。
「沖田隊長にも困ったものだよ。いつかはやると思ってただけど」
「うう、まさか私が引っかかることになろうとは…」
傷口にしみる消毒液の痛みに耐えながら言葉を続ける。
「土方さんって、いつもああいうのから逃げてるんですよね。改めて尊敬します」
私がケガをした理由は、沖田さんの仕掛けたトラップに引っかかったせいだ。
おそらく土方さん用の罠だと思われる。
何が起こったのかと思った時には、もう私の手から血が飛んでいた。
ちょうどその瞬間に山崎さんが通りかかり…今に至る。
「心臓止まるかと思ったよ」
「え、血苦手でしたっけ?」
「そうじゃなくて。君の手から血が出てることに対してだよ」
山崎さんは私の消毒を終えて、傷に合うサイズのばんそうこうを探しながら言う。
「心配、して、くれたんですか?」
違っていたらどうしよう、なんて思いも含みながら小さく問う。
「したよ」
返事は短い。
顔も、救急箱へ向いたまま。
けれど、こちらを向いた耳は少しだけ赤い。
「君だって、いつもしてるでしょ」
その言葉に素直に頷けなかったのは、なぜだろう。
なんとなく下を向いてしまったのは、なぜだろう。
山崎さん、確かにここは医務室ですけど、そんなにばんそうこうの種類ないですよ。
もう、見つけているんでしょう。
でも、もう少し、そっちを向いていてください。
今の私はきっと、あなたと同じ顔をしていますから。
される
(心配も、手当ても、されることがこんなに照れ臭いなんて。)
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