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どう考えても日記じゃない
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気づいたらもう四月がそこまで迫っていました。
ちょっとまって早いわ。




第x曲:見抜かれていたこと

※原作三百三十九訓(不祥事6人デート)の後日談

「見つけたぞ痔忍者」
「その変なあだ名やめてくれねえ?」
本屋の前に立つ全蔵がジャンプを置いて振り向く。
そこにはつい先日、禁酒を誓った銀時が立っていた。

「お前に聞きたいことがある」
「俺もあるわ。あれから酒飲んでねえ?」
「のっ……飲ん…いや今はそれどころじゃなくて」
これは飲んでるわ、と全蔵は思ったが、いったん銀時の話を聞くため言葉を止めた。

「あのさ。あの長屋生活の時、あいついなかっただろ」
「あ?あー、あのお嬢ちゃんか」
万事屋に転がり込んでいる、異国の服を着た女を思い浮かばせる。

「あいつは、参加しなかったのか」
「参加?」
「あの同棲生活だよ、あいつだって組み込まれててもおかしくねーだろ」
「まあなぁ…」
声のトーンを落として尋ねる銀時に、全蔵はため息をひとつ落として言う。

「あの子じゃお前の薬にはならねーと思ってな」
「…どういうことだ?」
「だってお前、喜ぶだろ」
「………」
数秒の間、銀時の目が泳ぐ。
「今は万事屋であの眼鏡のガキと怪力娘と四人だが、二人生活になったらお前その状況を喜ぶだろ」
「………」
銀時の背中を冷や汗が流れる。
「あわよくばそのまま事実にしようとするだろ」
「……し、しねぇよぉぉおおお?」
「声裏返ってんぞ」

予想通りだな、と言いながら全蔵は本屋から銀時を追い出す。
ちゃっかりレジにジャンプ代金を置いて買い物をすませながら。
「だから外したんだよ」
「だ、だったらあの時どこに…」
「俺のサポート」
「は?」
「撮影、俺。シナリオ、セッティング裏回し、彼女」
「は?」
「結構ノリノリでやってくれたぞ。仕掛け人になるのは初めてで楽しい、って」

そんじゃ、と言って全蔵はその場を立ち去った。
残された銀時は顔を引きつらせたまま、しばらく立ち尽くしていた。

「いろんな意味で一番ショックかもしれねえ…」

せめて妬いてくれてたら、なんて、淡い期待は砕け散っていった。






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